COP15 温暖化問題とワイン  ブリュワー・クリフトン






COP15 温暖化問題とワイン  ブリュワー・クリフトン

ブリュワー・クリフトン シャルドネ マウントカーメル2004


緻密で大胆、動じない自信。樽のバランスの程よさが、
ナッツ、バター様の香りの量を見事なバランスで表現。
まだ飲み頃は数年先のようだが、単体で鑑賞する楽しさがある
時期。
温暖化で、このような偉大なワインはどうなるのでしょうか?






以下、インポーターの資料です。

ル・ヴァン・ナチュール株式会社
フランソワ・デュマ氏の記述です。

Le Vin Nature Selection のHPです。 → http://www.le-vin-nature.net/





『COP15 :温暖化問題とワインやブドウにおける影響について考える機会』



地球温暖化が人間の活動に関係しているかどうかに関係なく、

温暖化が起こり始めているのは事実です。

コペンハーゲン15に192カ国の代表が集まっているこの機会に、

気温上昇がブドウ畑やワイン業界にどのような結果をもたらすかの要点をまとめ、

ワイン関係者が今後行わなければならないことを考えたいと思います。


現在、ワイン生産者とその関連業界は2つの新しい問題への

対応が語られています。

第一に、ワイン生産とそれをとりまく活動が地球温暖化にどのように影響し、

どうすればその影響をより減らすことができるか、

第二に地球温暖化による環境の変化がワインの品質や特色に

どのような結果をもたらすかです。




ほとんど知られていませんが一般的なブドウ栽培・ワイン生産活動において、

もっとも温暖化効果のあるガスを排出しているものの一つが、

化学肥料と殺虫剤の生産です。

そのため弊社はブドウ栽培において有機農法の生産者の増加が必要だと考えます。

土壌を汚染しないですむばかりでなく、

化学肥料を使わないことで、明らかに温暖化への

影響を減らすことへ貢献できます。




次に、ワインの輸送についてです。

おもしろいことに、ニューヨークでフランスワインを消費することは

カリフォルニアワインをニューヨークで消費されることより

温暖化ガスの排出が少ないことがあります。

これは、フランス→ニューヨーク間が海上輸送を利用し、

カリフォルニア→ニューヨーク間が国内輸送で

トラックや飛行機を利用した場合です。

ボトルの重量も輸送の際の温室効果ガス排出に影響します。



ここ2,3年で目立ってきた「ペットボトル」のボージョレヌーヴォは、

ボトル重量を減らしたことにおいてよいアイデアだと言えます。

ただし、ボージョレヌーヴォの問題は解禁日にあわせて

航空輸送をすることです。

航空輸送は、非常に大量の温室効果ガスを排出します。

(これが一つの理由で、弊社はボージョレヌーヴォの輸入を2年前にやめています)



高級感のある重いボトル V.S 安いイメージのバッグ・イン・ボックス

:新しい議論が業界内では巻き起こっています。

世界的に著名なワイン評論家であるジャンシス・ロビンソン氏と

オズ・クラーク氏が重量の重いワインボトルを批判した記事を

発表したのは皆さんの記憶にもあると思います。

発泡性ワインとシャンパーニュだけは安全性の観点から

スティルワインと同じ重量にすることは難しいですが、

そのシャンパーニュでもボトルの軽量化に向けた

研究が行われています。

消費者の皆様にはカーボン・ニュートラルを

実践している生産者のワインを購入することをぜひお薦めします。

(ちなみに弊社はCO2 Solidareを通して輸入に関わる排出ガスを

相殺しています。また、バッグ・イン・ボックスや軽量化のボトル、

エコロジックな生産者を選択しています)







では、ワインとテロワールへの温暖化の影響を見てみましょう

ワイン生産者にとってテロワールの特徴を

表現することがワインの価値であると言えます。

しかし、今後はどうでしょうか。

環境変化はテロワールの特徴を揺るがしています。

フランスワインがフランスワインであるために必要不可欠な

テロワールの特徴を失うことをブドウ栽培者やワイン生産者は

恐れています。

猛暑は重大な危機をもたらします。

2003年の猛暑は、当時、例外的とされていましたが、

科学者によれば今世紀末には当たり前のこととなるようです。

ブルゴーニュのワインの2002年と2003年を比較すれば、

2003年がブルゴーニュワインの特徴を持っていないことを

簡単に見つけられるでしょう。

(ただし、だからといって悪いわけではありません)。

AOCの法律は再考迫られるかもしれません。

同じことは2006年のジュラのシャルドネにもいえます。

2006年は2003年に比較すると伝統的なヴィンテージでした。

2003年は、例年よりスパイシーでエキゾチックです。

生産者が一番恐れているのは酸度を失うことです。

フランスも、酒石酸を添加せざるを得ないオーストラリアの

生産者と同様の危険に直面しています。

今のところ、有機栽培の生産者は過去10年のワインの出来に

満足しており、環境の変化に

うまく対応しているように見えます。

将来的には、フランスのブドウ畑の地図の変化と

いくつかのブドウ品種の消滅を覚悟しなければなりません。

幾つかのテロワールはすでに危機に直面しています。

特に南フランス。

ルーションは、暑さのためヘクタールあたりの収穫量が低くなり、

アルコール度数はどんどん高くなっており、

15度を超えているものもめずらしくありません。

これらは、だんだん新世界のワインに似てきているように思います。

ブルゴーニュにもどると、ピノノワールが次の標的と言えます。

この品種は暑さを嫌います。

ピノノワールがなければブルゴーニュは赤ワインの全てを失い、

ブルゴーニュ・ルージュすらできません。

ブルゴーニュの現在の気候状況を考えると、

ピノノワールは消滅すると考えられ、他のフランスの地域は

ブルゴーニュを引き継ぐことはできないでしょう。

なぜなら、ブルゴーニュワインの価値は、

その特徴的なテロワールに関連していることが周知の事実だからです。




フランスのブドウ栽培の北限は、以前はシャンパーニュでしたが、

現在はバス・ノルマンディのマンシュ県を超えています。

数年後にはイギリスでもシャンパーニュに近いワインを生産できるかもしれません。

ローヌで栽培されているシラーは、気候が2度上昇することにより、

ロワールで生産が可能になるでしょう。

4度上昇すればシャンパーニュで生産されるでしょう。

ブドウ栽培者・ワイン生産者は、品種や栽培方法を、

温度変化に適応させなければならないでしょう。

(偉大な自然なワインの栽培家・生産者であるクロード・クルトワ氏は、

90年代初めにソローニュでシラーを植えましたが、

裁判の後、伐採をやむなくされました。残念ながら彼の予想は正しかったかもしれません。)





ブドウは、暑さやある程度の旱魃には適応できる生命力のある植物です。

しかしながら、今後の気候変化は、ブドウ栽培者に

楽観できない結果をもたらすでしょう。

すでに、温度上昇によって、フランスのブドウ生産者は1940年以来、

収穫日が3週間から1ヶ月早まっています。

また、CO2の大気中の増加は、光合成に影響を与えます。

今世紀末にCO2が2倍になったと仮定すると、

光合成は20-30%増加します。

ブドウの葉の成長は活発になり、植物の成長活動全体も活発になるでしょう。

一方で、温度変化、降雨量、そしてCO2すべてがまた、

微生物や菌類の構成に影響を与えるでしょう。

ブドウ果汁自身の構造の変化としては、

「糖分の含有量の増加、酸度の低下、フェノール構造の変化でしょう」と

IFV技術長兼OIV醸造学会バイスプレジデントは述べています。

より専門的な研究では、

地域ごと、品種ごとのシミュレーションもされています。






最後に、世界には5000品種、2000の交配品種、300のルーツストック、

そしてクローンが存在しています。

研究で、長寿で、酸度が高く、糖度の含有量の少ないクローンを

見つけ出すことは可能かもしれません。

品種の交配で新しい種を作り出すことも新しい方法でしょう。

Gamaret(GamayとReichtensteiner)は腐敗病に抵抗があり、

現在研究が進んでいます。

近い将来、新しい品種のために遺伝子レベルからの研究も進むことでしょう。





したがって、気候変動に連動してAOCの改正

は避けられないことになりそうです。

ブドウ栽培地域とAOCの大きなギャップ予想されています。

幾つかの地域、特にラングドックでは収穫減少が予想されています。

そのため、新しい灌漑技術の導入が見込まれていますが、

現在のAOC法ではこの地域で灌漑は許されていません。

また、ワインの質と個性に大きな変化を与える可能性があります。

未来のワインの味はどんなものになるのでしょうか?

これが自然なワインの飲み手に生じる疑問です。









ワインショップ・ワインバー 18:00~24:00(日・祭日定休)

クローネ郡山2階 Atelier du vin  
phone 024-954-7666 / 07066827430
E-mail  atelier.du.vin@gmail.com

12月30日~1月3日までお休みさせていただきます。
宜しくお願い致します。



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Posted by 加藤洋子 at 2009年12月19日08:00 │ワイン


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加藤洋子
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1989 C&Wアカデミー チーズアドヴァイザー認定 1991 C&Wアカデミー ワインアドヴァイザー認定 1994 C&Wアカデミー ワインマスター認定 お宿でワイン・コンサルタント業 NHK カルチャースクール・ワイン講座講師(2008年秋~)NHKチーズ講座講師(2009年10月~2010年9月) 東部ガスワイン講座講師(2010年6月~)


                        
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